パソコンから放射される光の中で青色光が眼に有害であると言われていることから、多くの眼鏡がブルーライトカット効果を謳って販売されています。そこで市販のブルーライトカット眼鏡について、その効果を検討してみました。
1.パソコンディスプレイの青色光カット効果
以下の上図が全画面ツールを用いてパソコンのディスプレイで青色光のみを標示させた状態です。
下図はライトアナライザーのセンサーにブルーライトカット眼鏡を被せ、上図のディスプレイから放射される青色光のスペクトルを測定した結果です。今回試験したブルーライトカット眼鏡には青色光をカットする効果が殆どないことがわかります。
●パソコンのディスプレイの青色光
●パソコンのディスプレイの青色光+ブルーライトカット眼鏡
2.太陽光の青色(及び紫外線)カット効果
下図は太陽光(緑色)とブルーライトカット眼鏡を透過した太陽光(黄色)のスペクトルです。430 nm付近より短波長側では明らかにブルーライトカット眼鏡による光の減衰が明らかに認められ、特に紫外線領域である400nm以下では光をほぼ完全に光をカットしていることが分かります。
3.パソコンのディスプレイの青色光は眼に有害か?
眼に対する青色光の有害性については、慶應義塾大学の坪田名誉教授らが発表したマウスでの実験結果[T. Narimatsu et al. (2013)]などが、その後の青色光の眼への影響に関する議論のきっかけの一つになったのではないかと思われます。しかしながら、現在の研究では、通常のパソコン、タブレット、スマートフォンなどのディスプレイから放射される青色光は、通常の使用条件では網膜障害を引き起こす可能性は低いと考えられています[Nikita A Wong及びHamed
Bahmani (2022)]。
ただし、眼科手術で眼内照明に使用するLEDについては、短波長の光を吸収する角膜や水晶体を経由せず、網膜に光が直接照射されるため青色光の網膜障害について考慮する必要があると思われます。



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